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外部主催

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役員セミナー『取締役の職務と責任~改正会社法等を踏まえて~』

※株式会社の取締役・監査役・役員(執行役員含む)に限定させていただきます。
※昼食付,定員40名、受講料48,600円(1名分、昼食付、税込)

第Ⅰ講 役員に求められる企業経営の常識〔午後1時30分~2時50分〕
 講師:久保利英明 日比谷パーク法律事務所代表弁護士/大宮法科大学院大学教授・桐蔭法科大学院客員教授 1.コーポレート・ガバナンスの中核としての株主総会と取締役会
 ⑴ 会社のガバナンス構造とマネジメント構造を理解する
 ⑵ コーポレート・ガバナンスとコンプライアンスの関係
2.コンプライアンス重視の経営改革
 ⑴ コンプライアンスとはリスク対応能力のこと
  ① コンプライアンスは工学用語(Comply 要請を受容し,柔軟に対応すること)
  ② コンプライアンスは単なる法令遵守ではない
   -法令・マニュアル依存症はリスクへの感受性を損ない,「やらされ感」のため効果がない
  ③ 意訳すれば「お天道様に恥ずかしくないか」「家名を汚す事なきや」
  ④ 新幹線経営三原則の重要性
   -「新幹線(良い会社)」は「地盤(ミッションとガバナンス)」と「保線(コンプライアンス)」と
    「高速列車(効率的高利益経営)」から成り立っている
  ⑤ 経営トップを守る組織の充実こそ会社の要!
   -ゼネラルカウンセル(米国)=遵法支援人(韓国)
    内部統制組織の格上げ・強化と一元化
    日本での変化
    国営化日債銀における私の経験
 ⑵ ガバナンス・コンプライアンス不全の実例
   些細な原因・甚大な結果
  ① オリンパス事件
   -前任社長の失敗隠蔽に始まり信用全喪失と役員の総入替
  ② 増資インサイダー事件
   -証券会社のミッション・コンプライアンス違反
  ③ 東電原発事件
   -絶対安全神話と殿様経営と規制官庁の弱体が国土・海洋汚染と会社解体をもたらす
  ④ みずほ銀行事件
   -ホールディングによる傘下会社のガバナンスの脆弱性
  ⑤ JR北海道事件
   -現場の劣化と経営層の弱体と弱腰の規制が鉄道への信頼を喪失させた
  ⑥ アクリフーズ事件
   -ミッションを見失い,消費者を軽視し,グリップの弱いガバナンスがたった一人の愚行を見逃した
 ⑶ ガバナンス,コンプライアンスは欧米の専売ではない
  -近江商人の「三方良し」
  -世界初のコンプライアンス重視国家――徳川幕藩体制,大目付,隠密,目安箱
  -渋沢栄――「論語と算盤」 論語が算盤に優先する
3.日本の司法が国民目線へ,世界の司法が企業を裁く
 ⑴ パロマ役員はなぜ有罪になったか(パロマ事件 東京地裁平成22年5月11日判決 確定)企業の社会的
   責任が役員の法的責任へ
 ⑵ オリンパス内部通報者違法配転事件(東京高裁平成23年8月31日判決,最高裁平成24年6月28日棄
   却・不受理)
 ⑶ 米国司法省自動車部品カルテル摘発事件
   三菱電機,日立系企業などが総額7億ドルの罰金を科せられ,幹部14名が禁固刑を受けて収監されてい
   る。
   2014年1月ヘッドライト価格カルテル事件で小糸製作所は米司法省と罰金59億円の支払の司法取引に
   同意
 ⑷ AIJ詐欺事件(被害金額248億円)(東京地裁平成25年12月18日東京地裁判決)
   AIJ投資顧問による年金詐欺事件で,詐欺と金融商品取引法違反(契約の偽計)の罪に問われた
   同社元社長,浅川和彦被告に懲役15年を言い渡した。
 ⑸ 監事・監査役の責任(平成21年11月27日最高裁判決)名ばかり監査役の終焉
 ⑹ 国家・家制度の優越性から「法の支配」へ
  ① 年金払い型生保二重課税取消事件(平成22年7月6日最高裁第三小法廷判決)
  ② 海外居住者相続税等課税取消事件(平成23年2月18日最高裁第二小法廷判決)
  ③ 一人一票の較差是正事件(平成23年3月23日最高裁大法廷判決,その後の2012年12月16日衆院選に
    ついて2013年3月に17高裁支部で違憲判断,広島高裁・岡山支部で二つの選挙無効判決。2013年11
    月20日最高裁大法廷判決。2013年7月参院選について広島高裁岡山支部選挙無効判決)
  ④ 非嫡出子の法定相続分を嫡出子と同一に見直し判決(平成25年9月4日最高裁大法廷判決)
4.「第三者委員会」という自浄作用
 ⑴ みずほ銀行   「第三者委員会」
 ⑵ リソー教育   「第三者委員会」
 ⑶ アクリフーズ   「農薬混入事件に関する第三者検証委員会」
 ⑷ ゼンショーホールディングス   「「すき家」の労働環境改善に関する第三者委員会」

第Ⅱ講 取締役の職務と法的責任〔午後3時~4時30分〕
講師:野村修也 中央大学法科大学院教授/森・濱田松本法律事務所客員弁護士
第1 取締役の職務
 1.監査役設置型の場合
 2.委員会設置型の場合
第2 取締役の責任の体系
 1.会社に対する責任
  ・任務懈怠責任(423)
  ・承認なき競業取引の特則(423Ⅱ)
  ・利益相反取引の特則(423Ⅲ・428)
  ・利益供与の責任(120Ⅳ)
  ・現物出資財産の価額補填責任(213・286)
  ・剰余金の配当等に関する責任(462)
 2.第三者に対する責任
第3 取締役の義務
 1.善管注意義務と忠実義務
 2.競業避止義務
 3.利益相反取引
第4 経営判断の原則
第5 代表訴訟の仕組みと防御方法・責任免除
 1.不提訴理由書
 2.株式交換等と原告適格
 3.濫用的代表訴訟への対処方法
 4.会社の補助参加
 5.和解
第6 会社法の改正
 1.多重代表訴訟
 2.内部統制システムにかかる決議内容の充実及び運用状況の開示
 3.親会社取締役の子会社管理責任
第7 企業不祥事と取締役の責任
 1.会社法における内部統制システム構築義務
 2.金融商品取引法と内部統制報告書
 3.ケース・スタディ
  ・不祥事と公表義務(ダスキン事件)
  ・反社会的勢力と利益供与の禁止(蛇の目ミシン工業事件)
  ・有価証券報告書の虚偽記載に関する責任(西武鉄道事件,ライブドア事件)
●質疑応答

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