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Financial Regulation Newsletter

令和7年資金決済法改正に係る内閣府令・事務ガイドライン(案)の公表 (クロスボーダー収納代行)

Ⅰ. はじめに

2025年12月16日、金融庁は、同年6月6日に成立した「資金決済に関する法律の一部を改正する法律」に関連して、関係政令・内閣府令・事務ガイドライン等の改正案を公表しました1

2024年8月に金融庁に設置された資金決済制度等に関するワーキング・グループにおける議論と2025年1月22日に公表された「資金決済制度等に関するワーキング・グループ報告書」(以下「資金決済制度等WG報告書」といいます。)2を踏まえて成立した「資金決済に関する法律の一部を改正する法律」(以下「令和7年改正資金決済法」といいます。)においては、主として以下の事項に係る改正が行われました3
 

資金移動業関連暗号資産・電子決済手段(ステーブルコイン)関連
(i) 国境を跨ぐ収納代行(いわゆるクロスボーダー収納代行)への規制の適用
(ii) 破綻時等における利用者資金の返還方法の多様化
(i) 暗号資産交換業者等に対する資産の国内保有命令の導入
(ii) 信託型ステーブルコイン(特定信託受益権)の裏付け資産の管理・運用の柔軟化
(iii) 暗号資産等取引に係る仲介業の創設


この令和7年改正資金決済法に対応した、関連する政令・内閣府令・事務ガイドライン等に関する主な改正事項は、以下のとおりです。
 

資金移動業関連暗号資産・電子決済手段(ステーブルコイン)関連
(i) 国境を跨ぐ収納代行(いわゆるクロスボーダー収納代行)のうち、為替取引規制の適用を除外する類型等が定められる
(ii) 新たな資産保全方法(履行保証人債務引受契約、履行保証人保証契約及び履行保証金弁済信託契約)に関して、契約を締結できる履行保証人適格者の範囲、契約の内容等が定められる
(iii) 第一種資金移動業者が、保全すべき利用者資金の全額につき改正法による新たな保全方法により保全を行い、かつ、早期確実な弁済体制を備えている場合にあっては、2月を超えない期間において為替取引に関する債務を負担することができること等が定められる
(i) 電子決済手段等取引業者及び暗号資産交換業者に対して国内保有を命じることができる資産の具体的な範囲が定められる
(ii) 特定信託受益権の裏付け資産につき、一定の国債及び中途解約が認められる定期預貯金による運用を認めるにあたり、運用対象資産や上限組入比率、元本毀損防止に係る具体的な要件等が定められる
(iii) 新たに創設した電子決済手段・暗号資産サービス仲介業について、登録申請書の記載事項及び添付書類、利用者に対して明示、説明及び情報提供する事項、一定の禁止行為、その他の利用者保護措置、帳簿書類の内容等が定められる
(iv) 電子決済手段・暗号資産サービス仲介業に係る業務のうち、銀行及び保険会社並びにその子会社等が行うことのできる範囲が定められる


本ニュースレターでは、上記の改正事項のうち、国境を跨ぐ収納代行(いわゆるクロスボーダー収納代行)における為替取引規制について紹介します。

Ⅱ. クロスボーダー収納代行への為替取引規制の適用

令和7年改正資金決済法においては、以下の要件を満たすクロスボーダー収納代行は、「為替取引」に該当することとされました(令和7年改正資金決済法2条の2第2号)。
 

  1. 金銭債権を有する者(以下「受取人」という。)からの委託(二以上の段階にわたる委託を含む。以下同じ。)、受取人からの金銭債権の譲受けその他これらに類する方法により、
  2. 当該金銭債権に係る債務者又は当該債務者からの委託その他これに類する方法により支払を行う者(以下「債務者等」という。)から弁済として資金を受け入れ、又は他の者に受け入れさせ、
  3. 当該受取人又は当該受取人からの委託その他これに類する方法により支払を受ける者(以下「受取人等」という。)に当該資金を引き渡すことによって、債務者等から受取人等に当該資金を移動させる行為(債務者等から現金の交付を受け、当該現金を受取人等に交付することにより当該資金を債務者等から受取人等に移動させる行為を除く。)であって、
  4. 国内から国外へ向けて資金を移動させ、又は国外から国内へ向けて資金を移動させる行為(当該行為の態様その他の事情を勘案し、利用者の保護にかけるおそれが少ないものとして内閣府令で定めるものを除く。)

この点、事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係 14資金移動業者関係)の改正案(以下「資金移動事務ガイドライン改正案」といいます。)において、「国内から国外へ向けて資金を移動させ、又は国外から国内へ向けて資金を移動させる」とは、「例えば、国内の銀行口座等から国外の銀行口座等へ向けて資金を移動させ、又は国外の銀行口座等から国内の銀行口座等へ向けて資金を移動させることをいい、受取人等及び債務者等が日本に所在する場合であっても、国内から国外へ向けて資金を移動させ、又は国外から国内へ向けて資金を移動させることはこれに該当しうる」ものと明確化されました(資金移動事務ガイドライン改正案I-2-2-1)。上記を踏まえると、受取人が日本国内に所在している場合であっても、国内で回収された資金について、国外に開設された受取人名義の銀行口座に資金を移動させる場合には、クロスボーダー収納代行に該当し得るものと考えられます。

また、クロスボーダー収納代行規制の適用除外(令和7年改正資金決済法2条の2第2号括弧書に定める行為)に該当するものであっても、受取人が個人(事業として又は事業のために受取人となる場合におけるものを除く。)である場合には、別途同条1号で定める行為に該当するものへの該当性について判断を要することとされています(資金移動事務ガイドライン改正案I-2-2-1)。よって、受取人が個人であるクロスボーダー収納代行については、令和7年改正資金決済法2条の2第2号のみならず、同条1号への該当性も検討したうえで、為替取引への該当性を判断する必要がある点に留意が必要です。

Ⅲ. クロスボーダー収納代行への為替取引規制の適用除外

クロスボーダー収納代行への為替取引規制の適用に関して、資金決済制度等WG報告書では、クロスボーダー収納代行のうち、(i)金銭債権の発生原因の成立に関与するプラットフォーマーや委託販売者等が行う収納代行、(ii)エスクローサービスにおける収納代行、(iii)資本関係がある場合等、受取人との経済的一体性が認められる者が行う収納代行、(iv)他法令が規律する分野における主体や行為でクロスボーダー収納代行を実施することが想定されているもの(クレジットカードのイシュア・アクワイアラ間の清算業務等)については、直ちに為替取引規制を適用する必要性は高くないとされました。

令和7年改正資金決済法においては、「当該行為の態様その他の事情を勘案し、利用者の保護にかけるおそれが少ないものとして内閣府令で定めるもの」については、為替取引に該当しないものとされており(令和7年改正資金決済法2条の2第2号括弧書)、適用除外の類型は、下位法令である内閣府令で定められることとなっていました。

これらを踏まえて、資金移動業者に関する内閣府令の改正案(以下「資金移動府令改正案」といいます。)においては、以下の類型に該当するクロスボーダー収納代行については、為替取引には該当せず、規制の対象外となることが明確化されました。
 

資金移動府令改正案適用除外の類型
1条の3第1項1号銀行等又は資金移動業者に委託して行う収納代行
1条の3第1項2号エスクローサービスに伴う収納代行
1条の3第1項3号取引プラットフォームの提供者が行う収納代行
1条の3第1項4号自己と同一の会社等の集団に属する他の会社等を受取人とする収納代行
1条の3第1項5号イ国際ブランドが行うクレジットカード及び第三者型前払式支払手段の利用に係る債権債務の清算に伴う収納代行
1条の3第1項5号ロクレジットカード加盟店を受取人とする収納代行
1条の3第1項5号ハ資金決済法に基づく登録を受けた第三者型発行者が発行する第三者型前払式支払手段の加盟店を受取人とする収納代行
1条の3第1項6号第2号に該当するエスクローサービスの提供者又は第3号に該当する取引プラットフォームの提供者からの委託を受けて行う収納代行
1条の3第1項7号銀行等又は資金移動業者からの委託を受けて行う収納代行

1. 銀行等又は資金移動業者に委託して行う収納代行(1号)

受取人が有する金銭債権に係る債務者等から弁済として資金を銀行等又は資金移動業者に受け入れさせ、受取人等に当該資金を引き渡す類型は、適用除外に該当します(資金移動府令改正案1条の3第1項1号)。なお、二以上の段階にわたる収納代行において、銀行等又は資金移動業者に収納代行を再委託して行う収納代行も、原則として適用除外に該当するものとされています(資金移動事務ガイドライン改正案I-2-2-2(1))。

もっとも、単に銀行等に開設した預金口座や資金移動業者に開設したアカウントに対して債務者等に送金させるのみである場合には1号の適用除外に該当しないものとされていますので(資金移動事務ガイドラインI-2-2-2(1))、留意が必要です。

2. エスクローサービスに伴う収納代行(2号)

受取人が債務者に対し反対給付をする義務を負っている場合に、当該反対給付に先立って又はこれと同時に債務者等から弁済として資金を受け入れ、又は他の者に受け入れさせ、当該反対給付が行われた後に受取人等に当該資金を引き渡す類型は、適用除外に該当します(資金移動府令改正案1条の3第1項2号)。

これにより、エスクローサービスに伴う収納代行は、基本的に適用除外に該当するものとされています(資金移動事務ガイドライン改正案I-2-2-2(2))。

3. 取引プラットフォームの提供者が行う収納代行(3号)

受取人が有する金銭債権の発生原因である契約の締結の方法に関する定めをすることその他の当該契約の成立に不可欠な関与を行い、債務者等から弁済として資金を受け入れ、又は他の者に受け入れさせ、当該受取人の同意の下に、当該契約の内容に応じて受取人等に当該資金を引き渡す類型は、適用除外に該当します(資金移動府令改正案1条の3第1項3号)。

これにより、取引プラットフォームの提供者が行う収納代行は、基本的に適用除外に該当するものとされています(資金移動事務ガイドライン改正案I-2-2-2(3))。

なお、「契約の成立に不可欠な関与」については、受取人が個人である場合の収納代行(資金移動府令1条の2第3号ロ)においても同様の規定が設けられており、個別事例ごとに実態に即して実質的に判断されるべきであるものの、多数の者が参加して取引を行うことが可能なプラットフォームを提供する事業者が、利用規約において当該プラットフォームの利用条件や取引成立条件を定めているような場合には、「契約の締結の方法に関する定め」をしており、「契約の成立に不可欠な関与」を行っているものとして適用除外とされている点は、本号の解釈にあたっても参考になるものと考えられます。

4. 自己と同一の会社等の集団に属する他の会社等を受取人とする収納代行(4号)

自己と同一の会社等の集団に属する他の者が受取人である場合に、当該受取人が有する金銭債権に係る債務者等から弁済として資金を受け入れ、又は他の者に受け入れさせ、受取人等に当該資金を引き渡す類型は、適用除外に該当します(資金移動府令改正案1条の3第1項4号)。

もっとも、為替取引規制の適用を免れる目的で第三者からの金銭債権の譲受けその他これに類する方法により当該金銭債権を有することとなった場合については、適用除外に該当しないとされています(同号括弧書)。例えば、第三者から金銭債権を譲り受けて受取人となった者が、受領した当該金銭債権の弁済相当額を譲渡人に支払っている場合には、同号は適用されない可能性がある点に留意が必要です(資金移動事務ガイドライン改正案I-2-2-2(4))。

5. 国際ブランドが行う第三者型前払式支払手段等の利用に係る債権債務の清算に伴う収納代行(5号イ)

クレジットカードに係る国際ブランドが第三者型前払式支払手段等の利用に係る債権債務の清算のために、債務者等となる第三者型前払式支払手段等発行者若しくは立替払取次業者又は当該債務者等からの委託その他これに類する方法により支払を行う者から弁済として資金を受け入れ、又は他の者に受け入れさせ、受取人等となる第三者型前払式支払手段等発行者若しくは立替払取次業者又は当該受取人等からの委託その他これに類する方法により支払を受ける者に当該資金を引き渡す類型は、適用除外に該当します(資金移動府令改正案1条の3第1項5号イ)。これにより、クレジットカードに係るいわゆる国際ブランドが行う、第三者型前払式支払手段等の利用に係る債権債務の清算に伴う収納代行は、基本的に適用除外に該当するものとされています(資金移動事務ガイドライン改正案I-2-2-2(5))。

また、第三者型前払式支払手段等を用いた取引の解除又は取消し等により、第三者型前払式手段等発行者が受取人となる場合に国際ブランドが行う収納代行についても、5号イの適用除外に該当するものとされています(資金移動事務ガイドライン改正案I-2-2-2(5))。

上記の「第三者型前払式支払手段等」には、国際ブランドに係る登録商標が付されたデビットカード、プリペイドカード、又はクレジットカード等が含まれます(資金移動事務ガイドライン改正案I-2-2-2(5))。

なお、本号の対象となる国際ブランドは、金融庁長官が定めることとされていますが、以下に掲げる商標権者の登録商標が対象となる予定です4
 

  • アメリカン エキスプレス マーケッティングアンド デベロプメント コーポレーション
  • 株式会社ジェーシービー(ただし、JCB PREMOに係るものを除く)
  • ダイナース・クラブ・インターナショナル・リミテッド
  • ディスカバー、ファイナンシャル、サービシーズ
  • ビザ・インターナショナル・サービス・アソシエーション
  • マスターカード インターナシヨナル インコーポレーテツド
  • CHINA UNIONPAY CO., LTD.

6. クレジットカード加盟店を受取人とする収納代行(5号ロ)

クレジットカード番号等取扱契約締結事業者(割賦販売法35条の17の5第1項5号ニ)との間で、クレジットカード番号等取扱契約を現に締結する販売業者又は役務提供事業者が受取人である場合に、当該受取人が有する金銭債権に係る債務者等から弁済として資金を受け入れ、又は他の者に受け入れさせ、受取人等に当該資金を引き渡す類型は、適用除外に該当します(資金移動府令改正案1条の3第1項5号ロ)。

これにより、クレジットカード加盟店を受取人とする収納代行は、基本的に適用除外に該当するものとされています(資金移動事務ガイドライン改正案I-2-2-2(6))。ただし、割賦販売法に基づく登録を受けたクレジットカード番号等取扱契約締結事業者との間で加盟店契約を締結しているクレジットカード加盟店である必要がある点には留意が必要となります。

上記の「受取人が有する金銭債権に係る債務者等から弁済」については、クレジットカード等購入あっせんに係る販売の方法により販売できる商品若しくは権利の販売又は提供できる役務の提供を目的とする取引に係る債務の弁済として行われるものに限定されています(資金移動府令改正案1条の3第1項5号ロ括弧書)。なお、クレジットカード等購入あっせんにより決済できる取引であればよく、実際にクレジットカードを用いて決済が利用されたことまでを要するものではありません。

また、収納代行を行う者がクレジットカード番号等取扱契約締結事業者である必要はなく、いずれかのクレジットカード番号等取扱契約締結事業者との間でクレジットカード番号等取扱契約を締結する者を受取人とする収納代行であれば、5号ロの適用除外に該当し得るものとされています(資金移動事務ガイドライン改正案I-2-2-2(6))。

7. 資金決済法に基づく登録を受けた第三者型発行者が発行する第三者型前払式支払手段の加盟店を受取人とする収納代行(5号ハ)

資金決済法に基づく登録を受けた第三者型発行者が発行する第三者型前払式支払手段の加盟店が受取人である場合に、当該受取人が有する金銭債権に係る債務者等から弁済として資金を受け入れ、又は他の者に受け入れさせ、受取人等に当該資金を引き渡す類型は、適用除外に該当します(資金移動府令改正案1条の3第1項5号ハ)。

これにより、国内で登録を受けた第三者型発行者が発行する第三者型前払式支払手段の加盟店を受取人とする収納代行は、基本的に適用除外に該当するものとされています(資金移動事務ガイドライン改正案I-2-2-2(7))。

上記の「受取人が有する金銭債権に係る債務者等から弁済」については、第三者型前払式支払手段により、購入若しくは借受けを行い若しくは給付を受けることができる物品等又は提供を受けることができる役務の販売若しくは貸出し、又は提供を目的とする取引に係る債務の弁済として行われるものに限定されています(資金移動府令改正案1条の3第1項5号ハ括弧書)。なお、第三者型前払式支払手段による決済を利用できる取引であればよく、実際に第三者型前払式支払手段を用いて決済が利用されたことまでを要するものではありません。

8. 第2号に該当するエスクローサービスの提供者又は第3号に該当する取引プラットフォームの提供者からの委託を受けて行う収納代行(6号)

資金移動府令改正案1条の3第1項2号及び3号に掲げる行為を行う者からの委託その他これに類する方法により、第2号及び第3号の受取人が有する金銭債権に係る債務者等から弁済として資金を受け入れ、又は他の者に受け入れさせ、受取人等に当該資金を引き渡す類型は、適用除外に該当します(資金移動府令改正案1条の3第1項6号)。

これにより、適用除外に該当するエスクローサービスの提供者又は取引プラットフォームの提供者から委託を受けて行われる収納代行は、基本的に適用除外に該当するものとされています(資金移動事務ガイドライン改正案I-2-2-2(8))。

なお、適用除外に該当するエスクローサービス又は取引プラットフォームの提供者から委託を受けた収納代行事業者は、「受取人等に当該資金を引き渡す」ことができるとされていることから、委託元であるエスクローサービス又は取引プラットフォームの提供者に引き渡すことが必須となるものではなく、直接、受取人等に引き渡すことも認められるものと考えられます。

9. 銀行等又は資金移動業者からの委託を受けて行う収納代行(7号)

銀行等又は資金移動業者からの委託その他これに類する方法により、債務者等から弁済として資金を受け入れ、又は他の者に受け入れさせ、受取人等に当該資金を引き渡す類型は、適用除外に該当します(資金移動府令改正案1条の3第1項7号)。

Ⅳ. 利用者の保護に欠けるおそれが大きい行為

上記Ⅲ.の適用除外に該当する場合であっても、以下に掲げる「利用者の保護に欠けるおそれが大きい行為」(資金移動府令改正案1条の3第2項各号)に該当する場合には、適用除外に該当しないものとされています(資金移動府令改正案1条の3第1項柱書)。

1. 支払人の債務が消滅しない場合

受取人が有する金銭債権に係る債務者等から弁済として資金を受け入れた時(他の者に資金を受け入れさせる場合にあっては、当該他の者が弁済として資金を受け入れた時)までに当該金銭債権に係る債務者の債務が消滅しない場合には、適用除外に該当しないことになります(資金移動府令改正案1条の3第2項1号、1条の2第1号)。

2. エスクローサービス又は取引プラットフォームの提供者が受取人に対し責任を負わない場合

適用除外に該当するエスクローサービス又は取引プラットフォームの提供者から委託を受けて行う収納代行(資金移動府令改正案1条の3第1項6号の類型)によって国外にある債務者等から国内にある受取人等へ向けて資金を移動させる行為のうち、当該第三者に当該収納代行を行う者が収納代行を適切に行うことができない事態が生じた場合に受取人等への資金の円滑な引渡しが阻害されるおそれのある行為は、利用者の保護に欠けるおそれが大きい行為に該当し、適用除外に該当しないことになります(資金移動府令改正案1条の3第2項2号)。

この点、取引プラットフォームの提供者が他の事業者に資金の受け入れ又は引き渡しを再委託する収納代行を行う場合において、当該取引プラットフォーム提供者が受取人等に対して負う責任を当該他の事業者の選任・監督に限定する場合は、利用者の保護に欠けるおそれが大きい行為に該当するものとされています(資金移動事務ガイドライン改正案I-2-2-2(9))。

3. オンラインカジノ等の賭博に関連する場合

賭博をする者又は他の者相互間で賭博を行わせる者が受取人である場合に、債務者等から弁済として賭金、勝金、入場料、手数料その他いかなる名称によるかを問わず支払われる当該賭博に係る資金を受け入れ、又は他の者に受け入れさせ、受取人等に当該資金を引き渡す行為は、利用者の保護に欠けるおそれが大きい行為に該当し、適用除外に該当しないことになります(資金移動府令改正案1条の3第2項3号)。

4. 有価証券の取得目的、有価証券の売買、デリバティブ取引に関する金銭債権に係る収納代行である場合

受取人が有する金銭債権が、新たに発行される有価証券の取得を目的とする行為、有価証券の売買又はデリバティブ取引により発生したものである場合に、当該金銭債権に係る債務者等から弁済として資金を受け入れ、又は他の者に受け入れさせ、受取人等に当該資金を引き渡す行為は、利用者の保護に欠けるおそれが大きい行為に該当し、適用除外に該当しないことになります(資金移動府令改正案1条の3第2項4号)。

5. 法令違反・公序良俗違反

資金移動府令改正案1条の3第2項3号又は4号に該当する行為に類する行為であって、法令の規定又は公の秩序若しくは善良な風俗に反するものは、利用者の保護に欠けるおそれが大きい行為に該当し、適用除外に該当しないことになります(資金移動府令改正案1条の3第2項5号)。

例えば、当事者の一方が勝敗の結果を知っている片面的賭博をする者又は他の者相互間で片面的賭博を行わせる者が受取人である場合に、債務者等から弁済として当該片面的賭博に係る資金を受け入れ、又は他の者に受け入れさせ、受取人等に当該資金を引き渡す行為が5号の行為に該当するものとされています(資金移動事務ガイドライン改正案I-2-2-2(10))。

Ⅴ. さいごに

このように、資金移動府令改正案及び資金移動事務ガイドライン改正案の公表により、クロスボーダー収納代行の規制の適用除外の類型が明らかになりました。

Financial Regulation Newsletter 2025年5月号「令和7年資金決済に関する法律の一部を改正する法律案」においてご紹介したとおり、令和7年改正資金決済法は、原則として公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとされておりますので(令和7年改正資金決済法附則1条)、遅くとも、2026年6月には施行されることが見込まれます。令和7年改正資金決済法の施行後においては、適用除外に該当しないクロスボーダー収納代行について、為替取引規制が適用されることになり、資金移動業の登録を受けることが必要になることから5、クロスボーダー収納代行を行っている事業者においては、施行日までに、今回公表された適用除外の類型に該当するか否か、為替取引規制が適用されるものがあるとすると、資金移動業の下でどのように営むか等について慎重に検討する必要があります。

もっとも、資金移動府令改正案及び資金移動事務ガイドライン改正案の規定内容のみでは必ずしも明らかでない部分もありますので、今後金融庁から公表されるパブリックコメントに対する回答を注視することが重要となります。

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