2016年11月9日、ホテルニューオータニにおいて、クライアントの方々をお招きし、MHMセミナーを開催いたしました。セッション1では「FinTechの深化と法制度」をテーマに、セッション2では「わが国における役員報酬制度のあり方を考える-株式報酬や中長期業績連動報酬を中心に-」をテーマに、講演・パネルディスカッションを行いました。
セミナーおよびレセプションに多くの方々にお集まりいただき、当事務所一同深く感謝申し上げます。
セッション1: FinTechの深化と法制度
FinTechは、既存の金融ビジネスを最新の情報技術を用いて再構築する金融の新しい潮流を体現しています。金融はすべての産業のインフラとして機能することから、この潮流は、金融業界にとどまらない広がりを持ちます。セッション1では、第4次産業革命におけるキーワードとなっている「データ」の観点から、FinTechの潮流の産業全体との相互作用につき議論を行います。そのうえで、経済活動のインフラの根幹である通貨における新潮涜「仮想通貨」について、私法上の取扱いを中心とした譲論を通じ、データと財産制度、さらには契約制度との交錯について考察を試みます。
第一部 : パネルディスカッション 「第4次産業革命時代における金融データの利活用」
政府が6月2日に閣議決定した『日本再興戦略』改訂2016は、IoT、ビッグデータ、人工知能を基幹技術として活用した第4次産業革命の波の到来と、この新しい時代においてはデータ利活用のアイディアによって、競争環境は一夜にして変わりうることを指摘しています。
あらゆる場所に張り巡らされる端末やセンサーを通じて得られるデータのうち、金融データは経済活動に対する膨大なインサイトを提供するという意味で、その利活用がもたらす経済効果は計り知れません。一方で、金融データは、生み出されるインサイトの強大さのゆえにその取扱いには細心の注意が払われてきました。
しかし、金融データは個人から見れば、自らの意思で、自らのデータを必要な時に必要な範囲で事業者聞で共有させるなど、その利活用を自ら管理することができれば、経済生活の利便性を劇的に向上させる手段となりえます。英国におけるOpen Banking Standardは、このような観点から金融データの利活用に向けた長期戦略を策定し、銀行APIをその技術の核に据えて、社会に対する実装への道筋を検討しています。
第一部では、海外における動向を踏まえながら、第4次産業革命時代における金融データの利活用にあたってわが国が今後検討していかなければならない諸制度について検討を行います。
- プレゼンテーション:岡田 淳(森・濱田松本法律事務所 弁護士)
- パネルディスカッション:
■パネリスト:
楠 正憲 (一般社団法人Open IDファウンデーション・ジャパン 代表理事)
久保田 雅也 (株式会社WiL パートナー)
Mark Makdad (マネーツリー株式会社 営業本部長 CTO)
増島 雅和 (森・濱田松本法律事務所 弁護士)
岡田 淳 (森・濱田松本法律事務所 弁護士)
■モデレーター:堀 天子 (森・濱田松本法律事務所 弁護士)
第二部 : パネルディスカッション 「仮想通貨を通じたデータに関するわが国司法制度の考察」
6月3日に改正資金決済法が公布され、わが国の法体系において仮想通貨が制度対象とされることが決定しました。
仮想通貨は発行体の存在を前提とせず、その交換可能性によって価値が担保されている点で、預金通貨や電子マネーなどの他の電子的に表現された財産的価値とは大きく異なる性質をもちます。特定の信用主体を置くことができないため、仮想通貨を保有していることを証するデータそのものにつき、その資産性を肯定し、取引の安全を図るための法制度を構築しなければならないのではないかと考える向きもあります。
他方において、制度とは社会における明治・目次の合意であり、それはハード・ローすなわち法令のみによって構築されているものではありません。一般に仮想通貨を実装する技術として用いられるブロックチェーンは、他方においてスマートコントラクトを実装する技術としても注目されています。なぜ仮想通貨と契約が同じ技術によって実装することが可能なのか、両者の間にはどのような共通点があるのか、それは兌換性のない法定通貨にも共通する特性であるのか、論点はつきません。
第二部では、仮想通貨の私法的考察を通じて、データの資産性に関する私法の観点からの検証を行い、法定通貨等の私法理論との比較を通じ、仮想通貨の相対性や制度と契約の相対性についてディスカッションを行います。
- プレゼンテーション:末廣 裕亮(森・濱田松本法律事務所 弁護士)
- パネルディスカッション:
■パネリスト:
山岡 浩巳 (日本銀行 決済機構局長)
加毛 明 (東京大学大学院 法学政治学研究科 准教授)
斉藤 賢爾 (慶應義塾大学 SFC研究所 上席所員)
堀 天子 (森・濱田松本法律事務所 弁護士)
末廣 裕亮 (森・濱田松本法律事務所 弁護士)
■モデレーター:増島 雅和 (森・濱田松本法律事務所 弁護士)
セッション2: わが国における役員報酬制度のあり方を考える-株式報酬や中長期業績連動報酬を中心に-
昨今、わが国においては、株式報酬や中長期業績連動報酬の導入を促すコーポレートガバナンス・コードの導入、いわゆるリストリクテッド・ストックやパフォーマンス・シェアを事実上解禁する「所得税法等の一部を改正する法律」の施行(2016年4月1日付)による特定譲渡制限付株式の導入など、役員報酬を取り巻く環境が大きく変化しつつあります。このような中、セッション2においては、株式報酬や中長期業績連動報酬を中心に、わが国の役員報酬制度について、理論面・実務面から分析・検討を試みるとともに、投資家の視点を踏まえつつ、経営戦略の観点から、どのように役員報酬を設計していくべきかについて、検討を行います。
第一部 : パネルディスカッション 「株式報酬・中長期業績連動報酬の理論的分析と検討」
わが国における株式報酬や中長期業績連動報酬を巡る法制・税制の枠組みを整理したうえ、昨今関心の高い特定譲渡制限付株式や株式報酬信託に焦点を当て、法務及び税務の観点から、その理論的な分析・検討を行います。
■パネリスト:
後藤 元 (東京大学大学院 法学政治学研究科 准教授)
櫛笥 隆亮 (ウイリス・タワーズワトソン 経営者報酬部門 ディレクター)
奥山 健志 (森・濱田松本法律事務所 弁護士)
酒井 真 (森・濱田松本法律事務所 弁護士)
梶元 孝太郎 (森・濱田松本法律事務所 弁護士)
■モデレーター:渡辺 邦広 (森・濱田松本法律事務所 弁護士)
第二部 : パネルディスカッション「経営戦略の一環としての役員報酬制度の設計」
経営戦略の一環として、どのように報酬制度を設計していくべきかについて、投資家の視点を踏まえて、検討を行います。これに際しては、わが国の現在の法制度の下において利用可能な役員報酬のメニューについて、そのメリット・デメリットを整理するとともに、国内外の報酬事例などについても紹介を行いつつ、投資家のニーズと各企業の実務の調整をどのように図っていくのかについて、検討を行います。
■パネリスト:
後藤 元 (東京大学大学院 法学政治学研究科 准教授)
石田 猛行 (インスティテューショナルシェアホルダーサービシーズ株式会社(ISS) 代表取締役)
江良 明嗣 (ブラックロック・ジャパン株式会社 運用部門 インベストメント・スチュワードシップ・チーム責任者 ヴァイス・プレジデント)
櫛笥 隆亮 (ウイリス・タワーズワトソン 経営者報酬部門 ディレクター)
熊谷 真和 (森・濱田松本法律事務所 弁護士)
渡辺 邦広 (森・濱田松本法律事務所 弁護士)
■モデレーター:石綿 学 (森・濱田松本法律事務所 弁護士)
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