2018年11月7日、ホテルニューオータニにおいて、クライアントの方々をお招きし、MHMセミナーを開催いたしました。今回は「AI・IoT社会の到来と求められるルール」をテーマに、全五部構成にて講演・パネルディスカッションを行いました。
セミナーおよびレセプションに多くの方々にお集まりいただき、当事務所一同深く感謝申し上げます。
第一部: 自動運転、コネクティッドカー、MaaS
AIなどの進展を受けて、各国の自動車会社、IT企業などの間では、自動運転システムの開発競争が激しくなっている。自動運転システムは、交通事故の削減や渋滞緩和に資するものとして注目されている。また、車車間や路車間通信を用いたコネクティッドカーは、すでに実装段階に入っている。こうした新技術の進展は、MaaS(Mobility as a Service)と呼ばれる、新しいモビリティサービス産業の創出にも大きく役立つことが期待されている。
他方、自動運転システムの実証実験中における死亡事故が発生するなど、自動運転システムの安全性と、そ
れが起こした事故の責任について、より人々の関心が高まっている。
そのような動きを受け、第一部では、近年の自動車産業における動向や、自動運転に関するルール作りの最新動向、新しいモビリティサービスへの取り組みと、そこから見えてきている課題などについて議論する。
■パネリスト:
杉浦 孝明 (株式会社三菱総合研究所 営業本部 自動車担当 副本部長)
山本 彰祐 (株式会社ディー・エヌ・エー オートモーティブ事業本部事業推進部 部長)
佐藤 典仁 (国土交通省 自動車局 保障制度参事官室 企画調整官、弁護士)
■モデレーター:戸嶋 浩二 (森・濱田松本法律事務所 弁護士)
第二部: サイバーセキュリティのあり方と法務との接点
IoT社会は、5Gさらにはbeyond5Gといったワイヤレスによって、膨大なデータが絶え間なく、かつ、多数のモノ(things)を繋いで流れる技術的構造を基盤として成立する。自動化・無人化による高度モビリティ社会の実現、人手不足の解消等、その恩恵は大きいが、他方で、サイバー攻撃による脅威も増大している。攻撃はどこからでも、例えば、市販の家電製品等に組み込まれた部品の脆弱性を起点としてでも可能であり、その影響は、誰にでも及びうるし、その被害も甚大となりうる。
このような問題意識のもと、第二部では、安全なIoT社会の実現・発展に必要なサイバーセキュリティのあり方とは何か、また、製品・サービスの安全性として求められるものは何かなどについて、現在進められている情報共有のルール作りも踏まえて議論する。
■パネリスト:
林 紘一郎 (情報セキュリティ大学院大学 教授)
蔦 大輔 (内閣サイバーセキュリティセンター 基本戦略第2グループ 上席サイバーセキュリティ分析官)
■モデレーター:林 浩美 (森・濱田松本法律事務所 弁護士)
第三部: グローバル・データコンプライアンスの実務~越境データ移転規制とデータ・ローカライゼーション規制への対応を中心に~
近時は、グローバル・データコンプライアンスについての動きがめまぐるしい。例えば、日本の個人情報保護法改正による外国にある第三者への個人データ移転規制の導入、欧州における海外データ移転規制を含むGDPR(EU 一般データ保護規則)の適用開始、日欧間のデータ移転についての十分性認定をめぐる交渉、データ・ローカライゼーション規制を含む中国におけるインターネット安全法の施行等がその例である。
グローバル・データコンプライアンスのためには、各法域における制度の理解をした上で、グローバルにグループ企業間あるいは取引先との間でのデータの移転・処理を適法に行う必要がある。第三部では、複雑化するグローバル・データコンプライアンスにいかに効率的に対応するかの実務について議論する。
1. プレゼンテーション:岡田 淳 (森・濱田松本法律事務所 弁護士)
2. パネルディスカッション
■パネリスト:
杉本 武重 (Bird & Bird LLP ブリュッセルオフィス 弁護士)
康 石 (森・濱田松本法律事務所 外国法事務弁護士)
北山 昇 (個人情報保護委員会事務局 参事官補佐、弁護士)
■モデレーター:田中 浩之 (森・濱田松本法律事務所 弁護士)
第四部: データの適切な利活用のための法制度設計とは~データ・プラットフォームからデータ・ポータビリティまで~
近時の企業の競争力の源泉は、データを分析・活用したビジネスモデルへ移り変わりつつあり、いまやデータは「21世紀の石油」とも称されるほどである。そのような背景の下、データを適切に保護しつつ、様々な分野でのデータの利活用を促進するための法的環境の整備が急ピッチで進められている。
例えば、今年に入ってから、営業秘密以外のデータを保護の対象とする不正競争防止法の改正、「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」の策定、「革新的データ産業活用計画認定制度」の創設などが矢継ぎ早に実行されている。また、個人データの利活用という観点からは、データ主体の関与の下での適正な活用が模索されており、いわゆる「情報銀行」の認定や、「データ・ポータビリティ」の導入の是非をめぐる議論からも目が離せない。
第四部では、このようなデータ利活用をめぐる法整備の動向や、今後の適切なデータ利活用に向けた方向性
について、政府における最新の施策も踏まえて議論する。
■パネリスト:
渡部 俊也 (東京大学 政策ビジョン研究センター 教授)
松田 洋平 (経済産業省 商務情報政策局 情報経済課 課長)
生貝 直人 (東洋大学 准教授、東京大学 客員准教授)
■モデレーター:岡田 淳 (森・濱田松本法律事務所 弁護士)
第五部: AI・IoT社会の到来と求められるルール
技術革新が進み、AI・IoT等の社会実装が進む中、ルールはどのように対応していけば良いのか。これまで
のルールの作り方をそのまま踏襲していて良いのか。
例えば従来の法律は、人のみが判断能力を有する主体であることを前提とし、判断を行う主体が責任主体であることを前提としている。AIの利活用とは、少なくともそのうちの一部をAIに委ねることを意味するのだとすれば、誰が責任を負うべきなのか(負わせることが適切なのか)も併せて考える必要があろう。
そこで、第五部では、AI・IoT時代を迎えるにあたり、今後のルールのあり方について考える。
■パネリスト:
上田 恵陶奈 (野村総合研究所 ICT・メディア産業コンサルティング部 上級コンサルタント)
野口 祐子 (グーグル合同会社 執行役員 法務部長、弁護士)
柳川 範之 (東京大学大学院 経済学研究科 教授)
林 浩美 (森・濱田松本法律事務所 弁護士)
■モデレーター:戸嶋 浩二 (森・濱田松本法律事務所 弁護士)
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